早発卵巣不全とは

定義

早発卵巣不全とは、閉経よりも早期に無月経となってしまう、残存する卵の数が排卵できないほど少なくなってしまう状態のことで、「年齢40歳未満で4ヶ月以上の無月経(一旦月経が来た後になくなってしまう)」があり、血中ホルモン値も閉経期と同様の値である場合と定義されます(エストロゲン低値、卵胞刺激ホルモンや黄体ホルモンは高値)1)

種類や症状

早発卵巣不全では、低エストロゲン状態によりほてりや動悸などの更年期のような症状が出現し、長期的には骨粗しょう症や心臓・血管病のリスクが高くなることが知られています。
また、早発卵巣不全では残存する卵の数が少ないため排卵が起こらず、自然妊娠を望めなくなる場合がほとんどです。

原因

早発卵巣不全の原因は不明であることがほとんどですが、遺伝、自己免疫性疾患、癌に対する抗癌剤や放射線治療、免疫抑制剤の使用などによるものの報告があります。

診断

40歳未満で4ヶ月以上月経が来ていない場合、血液検査を行います。1ヶ月以上の期間をおいてE2(エストロゲン)とFSH(卵胞刺激ホルモン)を2回測定した場合に、いずれの場合においても低E2・高FSHがであった場合に、早発卵巣不全と診断されることが一般的です。補助的に、卵巣予備能低下を確認するため補助的にAMH(抗ミュラー管ホルモン)測定を追加する場合や、その他の血液検査を行うこともあります。

治療法・対処法

早発卵巣不全では更年期症状の改善のため、また症状がなくとも将来の骨粗しょう症リスクや心臓・血管病のリスクを低減するため女性ホルモンの補充を行います。補充の方法には飲み薬や貼り薬・塗り薬など様々な方法があります。

また、妊娠希望の場合にも、やはり女性ホルモン製剤を使い自然な月経周期のホルモン状態を再現し、数回月経と同様の出血を起こすことで卵巣を刺激し、機能回復を目指す方法がまず行われます。しかし、卵巣機能が一時的に回復しても、そのうち排卵を伴う例は11〜46%とされ、さらにそのうち妊娠成立するのは3〜10%と報告されていることから2)、現在・あるいは今後の妊娠希望がある場合は早期に不妊治療の専門施設への紹介が推奨されます。海外では卵子提供なども提案されています。

参考文献

1) 日本産科婦人科学会/日本産婦人科医会(編).ガイドライン婦人科外来編, 2020; 123

2) Bidet M, Bachelot A, Bissauge E, Golmard JL, Gricourt S, Dulon J, Coussieu C, Badachi Y, Touraine P. Resumption of ovarian function and pregnancies in 358 patients with premature ovarian failure. J Clin Endocrinol Metab. 2011 Dec;96(12):3864-72. doi: 10.1210/jc.2011-1038. Epub 2011 Oct 12. PMID: 21994953.

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