TSH(甲状腺刺激ホルモン)とは

①概要

脳の下垂体という部位から分泌され、甲状腺ホルモンの分泌調節を行うホルモンです。TSH(甲状腺刺激ホルモン)とFT4(遊離サイロキシン)はお互いに分泌を調節し合いますが、TSHは特にFT4の変化に鋭敏で、少しの変化でも大きく量が増減することが知られています。

このため、甲状腺機能が正常であるかどうかの判断にはFT4よりもさらにTSHを重視することになっています。例えばFT4が正常でもTSHが低ければその人にとって過剰な甲状腺ホルモンが分泌されていることとなりますし、TSHが高ければ甲状腺ホルモンが不足していることになります。

TSHの分泌は前述の通りFT4が不足すると増加し、過剰になると低下しますが、先天的にTSHの分泌自体が低かったり、脳の病気や腫瘍によって分泌が増加/低下することもあります。

②ホルモンが高すぎる/低すぎるとどうなるか

TSHと連動して増減する甲状腺ホルモンが高すぎる、低すぎることによる症状が問題になります。

TSHが高すぎる場合、TSHの産生が亢進している場合と、甲状腺ホルモンが不足している場合が考えられます。TSHの産生が亢進している場合は甲状腺ホルモンの数値も高く、原因としては稀ですがTSH産生腫瘍が考えられます。甲状腺ホルモンが不足している場合、甲状腺機能低下症が考えられます。

TSHが低すぎる場合、TSHの産生が低下している場合と、甲状腺ホルモンが過剰になっている場合が考えられます。TSHの産生が低下している場合は甲状腺ホルモンの数値も低く、原因としては脳腫瘍、頭の外傷や脳出血、一部の薬剤が考えられます。甲状腺ホルモンが過剰になっている場合はバセドウ病や甲状腺炎などが考えられます。

甲状腺ホルモンが不足している場合、過剰な場合の症状についてはFT4の項を参照してください。

また、甲状腺ホルモンの値は正常ですが、TSHの値が高すぎる、もしくは低すぎるタイプの異常もあり、それぞれ潜在性甲状腺機能亢進症、潜在性甲状腺機能低下症と呼びます。こうしたタイプではあまり症状に出ることはありませんが、機能亢進症では将来的な不整脈、機能低下症では心不全などのリスクになるという報告があります。

③関連する疾患

甲状腺機能亢進症、甲状腺炎、バセドウ病、甲状腺機能低下症、橋本病、TSH産生腫瘍

自宅でできるホルモン検査