卵巣予備能とは

定義

卵巣予備能とは、卵子を成熟させたり、女性ホルモンをつくりだしたりする卵巣機能の予備能力のことを指します。卵巣予備能は女性の妊孕性*1に影響を与え、加齢とともに低下していきます。また、喫煙や抗癌剤などの薬剤、卵巣の手術等の影響を受けて変化します。

*1 妊孕性:妊娠のしやすさ、妊娠する力のこと。

知ることの意義

妊娠を希望する場合、卵巣予備能を把握することで、妊娠や不妊治療の計画に役立てることができます。不妊治療では、卵巣予備能を調べることで、生殖補助技術(ART)*2の成績や排卵誘発剤の反応を予想して個別の治療計画を立てます。

*2 生殖補助技術(ART):精子、卵子、受精卵(胚)に体外操作を加えて妊娠を目指す技術。例、体外受精・顕微授精・胚移植など。

評価方法

卵巣予備能を評価する因子には、AMH(抗ミュラー管ホルモン)やAFC(胞状卵胞数)*3があります。最も使われているのはAMH値の測定です。AMHとは、卵巣内で発育途中の前胞状卵胞*4の中の顆粒膜細胞でつくられるホルモンです。AMH値を測ることによって、卵巣に残っている卵子の数を知ることができます。
そもそも、卵子のおおもととなる原始卵胞は、女性が胎児のときにつくられ、誕生時には200万個ほど存在します。その後、卵子は新たにつくられることがなく、卵子の数は加齢とともに減少します。
AMHの値の測定で評価できるのは、卵巣に残っている卵の数が、年齢(同世代の人)の平均値や中央値と比べて多いか少ないかということです。

*3 AFC(胞状卵胞数):月経3日目に経腟超音波で見える、左右の卵巣内にある小さな卵胞2-8mmの数の合計。
*4 前胞状卵胞:卵巣の中には様々な成長段階の卵胞があり、原始卵胞は、一次卵胞、二次卵胞、前胞状卵胞、胞状卵胞、成熟卵胞と成長します。

AMHの値について

AMH値は、卵子の数を示す指標であり、卵子の質を示していません。AMH値が妊娠のしやすさに比例するわけではないという点に注意が必要です。妊娠のしやすさは加齢にしたがって低下していきます。

またAMH値は個人差が大きく、AMH値の高い・低いは、あくまで同年代との比較指標であるという点にも注意が必要です。

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