月経異常とは

定義

月経の異常には月経周期が長すぎる、短すぎる周期の異常に加え、経血量や月経持続日数の異常が含まれます1)

月経異常の原因は性ホルモン分泌の乱れが多いですが、他の病気が隠れていることもあります。例えば、子宮筋腫や血液疾患などにより出血しやすくなっている、子宮の癒着で経血が排泄できない場合もあり、健康に大きく影響することもあるので注意が必要です。

別の病気がなく月経周期がたまに乱れるだけであれば必ずしも治療が必要なわけではありませんが、月経が全くこない場合や、経血の量が多くて貧血になる、月経困難症を伴う場合には治療が必要です。

標準的な期間と量

通常、月経は妊娠出産と授乳期間中および、初経前、閉経後の生理的無月経と呼ばれる期間を除き、25~38日の周期で、3~7日間の月経持続日数があります。周期の長さや経血期間がその都度異なる人もいますが、通常は月経周期の変動は±6日以内とされています。

基礎体温を記録していると、体温が2相に分かれますが、卵胞刺激ホルモンが優位で基礎体温が下がる「卵胞期」は12~24日、黄体化ホルモン優位で基礎体温が上がる「黄体期」は11~14日とされています。つまり、排卵して基礎体温が上がってから月経が来るまでの期間にはあまり大きな個人差はなく、排卵前の卵胞期の長さや排卵がうまく行えなかったりすることが月経周期に影響します。

種類や症状

月経異常には、月経周期の異常と持続日数の異常、経血量の異常があり、それぞれ次のように分類されます1)

頻発月経:月経周期が24日以下

希発月経:月経周期が39日以上

原発性無月経:満18歳で初経なし

続発性無月経:月経が3か月以上停止(妊娠出産、授乳期間、閉経後を除く)

過長月経:月経の出血期間が8日以上

過短月経:出血日数が2日以内

過多月経:期間の総出血量が140ml以上

過少月経:期間の総出血量が20ml以上

原因(関連疾患)

続発性無月経はホルモンの分泌が影響している場合がほとんどで、女性ホルモンの中でもエストロゲンの分泌は維持できている「第1度無月経」と、エストロゲンの分泌も低下している「第2度無月経」に分けられます。稀に子宮内の癒着などが原因で経血を排出できない「子宮性無月経」もあります。

主な病気は以下の通りです。

子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮内膜ポリープ、子宮体癌など

血液を凝固する成分が減少する疾患(特発性血小板減少性紫斑病など)

子宮内膜の癒着、子宮発育不全

血液凝固を妨げる薬剤の服用など

なお、更年期は過多・過少・過長・過短月経の全てが起こりえます。

診断

月経がこない、出血があるけどなんだかいつもと違う時はまず妊娠していないかどうかをしっかり確認することが大切です。妊娠していなければ、過去数か月~数年の月経周期と状況、急激な体重の増減や病気の有無、生活環境の大きな変化がなかったかを詳細に問診します。この際に基礎体温の記録があれば原因を診断する手がかりになります。検査としては、超音波検査で子宮や卵巣を観察やホルモン検査で排卵障害があるかどうかを確認します。腫瘍が疑われる場合など、必要があれば組織をとって生検を行うこともあります。

1. 妊娠の有無
2. 問診:月経周期、基礎体温記録、妊娠出産歴、手術歴、病歴内服歴、体重の増減 激しい運動負荷の有無、精神的ストレスの有無、疲れやすさ2)
3. 超音波検査・子宮の所見:子宮内膜の厚さ、子宮内に残っている血の塊の有無
4. 卵巣の所見:卵巣の病変の有無、卵巣の発育の状況、多嚢胞性卵胞の有無
5. ホルモン検査

治療法

毎回少しずつ周期がずれる程度のいわゆる月経不順であれば、特に体の不調や困っていることがなければ治療の必要はありません。ただし、3か月以上月経が止まる続発性無月経では子宮内膜の癌予防のため、ホルモン剤を用いて月経様の出血を促す必要があります3)

過多月経や過長月経では、血液成分を多く失うことになるので貧血など体の不調を招きやすく、他の病気が隠れている可能性もあるため、原因を見極めることが大切です。月経困難症などを伴う場合なども日常生活への影響が大きいので治療を受けた方がよいでしょう。

過少月経や過短月経、そして無月経で今後妊娠を希望する場合には、ホルモンを充填させる治療を行うこともあります。

参考文献

1) 日本産科婦人科学会編:産科婦人科用語集・用語解説集 改訂第Ⅳ版, 2018

2) Rosenfield RL,et al,: J Clinical Lractjce Guideline,J Clin Endocrinol Metab 2013; 98: 3575-3583 PMID: 23913942(Ⅲ)

3) Female Athlete Triad committee opinion 2017; No.702(Guidline)

RCOG Green-top Guidelines and Scientific Impact Papers No.40 2013 RCOG(Guidline)

https://www.rcog.org.uk/globalassets/documents/guidelines/scientific-inpact-papers/sip_40.pdf(最終アクセス日2018年5月15日)

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