甲状腺とは

組織の役割

甲状腺はのどぼとけの下あたりに位置している小さな器官です。蝶が羽を広げたような形をしていて、それぞれの羽の大きさは長さが4cmほど、幅が1.5cmほどです。これより大きい場合は、甲状腺腫瘍(悪性の場合甲状腺がんとなる)の可能性があります。この甲状腺は甲状腺ホルモンを合成し、かつそれを全身にむけて分泌する役割を持っています。このホルモン分泌の合図となるのが、脳下垂体といわれる脳の部位から分泌されるTSH(甲状腺刺激ホルモン)です1)

つまり、甲状腺刺激ホルモンに応答して甲状腺ホルモンを分泌するのが甲状腺の仕事というわけです。

ホルモンの種類

甲状腺ホルモンにはT3(トリヨードサイロニン)とT4(テトラヨードサイロニン)の2種類があります。甲状腺ホルモンの材料の1つであるヨードが3つ使われているのがT3と、4つ使われているのがT4と呼ばれます。甲状腺で作られるのは多くがT4ですが、T4の役割はあまり大きくありません。T4は血液中に分泌された後に、そのほかの組織で(主に肝臓で)ヨードが1つ取り除かれてT3になります。このT3が役割の面では主役を務めることになります1)

ホルモンの役割

甲状腺ホルモンの主な役割は新陳代謝の向上です。全身の細胞に対して働きかけ、様々な反応を促進させエネルギーを作り出します。ここで得られたエネルギーによって体温の調節も行われます2)。甲状腺ホルモンはさらに、胎児や子供にとっても重要であり、発育を大きく促す役割を持っています3)。そのため、甲状腺ホルモンの分泌量が乱れると様々な症状が生じます。甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることによって生じる甲状腺機能亢進症と、逆に不足する甲状腺機能低下症があります4)

参考文献

1) 耳鼻咽喉科展望:「甲状腺ホルモン製剤—レボチロキシンナトリウムを中心に—」54:2;118~120, 2011

2) J. Jameson : semanticscholar, 2011

3) Adams DD and HD Purves: Abnormal responses in the assay of thyrotrophin. Proc Univ Orago Med Sch 34:11, 1956.

4) 日本内科学会: 「薬剤による甲状腺障害」99:776~785, 2010

自宅でできるホルモン検査